百人一首は百人の和歌を一人につき一首ずつ選んで作られた秀歌撰(詞華集)である。
百人首とも言われる。
藤原定家が京都小倉山の山荘で鎌倉時代初期に揮毫した小倉山荘色紙和歌に基づくものが 「歌がるた」として広く用いられ、後世に定着して小倉百人一首と呼ばれている。
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6 かささぎの渡せる橋におく霜の 白きを見れば夜ぞふけにける (中納言家持)
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11 わたの原八十島かけてこぎいでぬと 人には告げよあまのつり船 (参議篁)
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16 立ちわかれいなばの山の峰に生ふる まつとし聞かば今帰り来む (中納言行平)
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21 いまこむといひしばかりに長月の ありあけの月を待ちいでつるかな (素性法師)
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26 小倉山峰のもみぢば心あらば いまひとたびのみゆき待つたなむ (貞信公)
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31 朝ぼらけありあけの月と見るまでに 吉野の里にふれる白雪 (坂上是則)
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35 人はいさ心もしらずふるさとは 花ぞ昔の香ににほひける (紀貫之)
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40 しのぶれど色にいでにけりわが恋は 物や思ふと人のとふまで (平兼盛)
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46 由良のとをわたる舟人かぢをたえ ゆくへも知らぬ恋の道かな (曾ねの好忠)
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51 かくとだにえやはいぶきのさしも草 さしもしらじなもゆる思ひを (藤原実方朝臣)
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56 あらざらむこの世のほかの思ひ出に いまひとたびのあふこともがな (和泉式部)
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61 いにしへの奈良の都の八重桜 けふ九重ににほいぬるかな (伊勢大輔)
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66 もろともにあはれと思へ山桜 花よりほかにしる人もなし (前大僧正行尊)
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71 夕されば門田の稲葉おとづれて 芦のまろやに秋風ぞ吹く (大納言経信)
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76 わたの原こぎいでてみれば久方の 雲ゐにまがふ沖つ白波 (法性寺入道 前関白太政大臣)
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81 ほととぎす鳴きつる方をながむれば ただありあけの月ぞ残れる (後徳大寺左大臣)
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86 なげけとて月やは物を思はする かこち顔なるわが涙かな (西行法師)
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91 きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに 衣かたしきひとりかも寝む (後京極摂政 前太政大臣)
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96 花さそふ嵐の庭の雪ならで ふりゆくものはわが身なりけり (入道前太政大臣)
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百人一首
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No 上の句 下の句 作 者
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1 秋の田のかりほの庵の苫をあらみ わが衣手は露にぬれつつ (天智天皇)
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2 春過ぎて夏来にけらし白妙の 衣ほすてふ天の香具山 (持統天皇)
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3 あしびきの山鳥の尾のしだり尾の ながながし夜をひとりかも寝む (柿本人麻呂)
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4 田子の浦にうちいでて見れば白妙の 富士の高嶺に雪は降りつつ (山部赤人)
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5 奥山にもみぢふみわけなく鹿の 声聞く時ぞ秋はかなしき (猿丸大夫)
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7 天の原ふりさけ見れば春日なる 三笠の山にいでし月かも (阿倍仲麻呂)
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8 わが庵は都のたつみしかぞすむ よをうぢ山と人はいふなり (喜撰法師)
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9 花の色はうつりにけりないたづらに わが身よにふるながめせしまに (小野小町)
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10 これやこの行くも帰るもわかれては 知るも知らぬもあふ坂の関 (蝉 丸)
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12 天つ風雲のかよい路吹きとぢよ をとめの姿しばしとどめむ (僧正偏昭)
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13 つくばねの峰よりおつるみなの川 恋いぞつもりて淵となりぬる (陽成院)
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14 みちのくのしのぶもぢずり誰ゆゑに 乱れそめにしわれならなくに (河原左大臣)
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15 君がため春の野にいでて若菜つむ わが衣手に雪はふりつつ (光孝天皇)
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17 ちはやぶる神代もきかず竜田川 からくれなゐに水くくるとは (在原業平朝臣)
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18 すみの江の岸に寄る波よるさへや 夢のかよひ路人めよくらむ (藤原敏行朝臣)
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19 難波潟みじかき芦のふしのまも あはでこの世をすぐしてよとや (伊 勢)
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20 わびぬればいまはたおなじ難波なる みをつくしてもあはむとぞ思ふ (元良親王)
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22 吹くからに秋の草木のしをるれば むべ山風を嵐といふうらむ (文屋康英)
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23 月みればちぢに物こそかなしけれ わが身ひとつの秋にはあらねど (大江千里)
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24 このたびはぬさもとりあへず手向山 もみぢのにしき神のまにまに (管 家)
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25 名にしおはば逢坂山のさねかづら 人にしられで来るよしもがな (三条右大臣)
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27 みかの原わきて流れるるいづみ川 いつみきとてか恋しかるらむ (中納言兼輔)
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28 山里は冬ぞさびしさまさりける 人めも草もかれぬと思へば (源宗于朝臣)
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29 心あてに折らばや折らむ初霜の おきまどはせる白菊の花 (凡河内躬恒)
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30 ありあけのつれなく見えし別れより あかつきばかりうきものはなし (壬生忠岑)
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32 山川に風のかけたるしがらみは ながれもあへぬもみぢなりけり (春道列樹)
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33 ひさかたの光のどけき春の日に しづ心なく花のちるらむ (紀友則)
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34 誰をかもしる人にせむ高砂の 松も昔の友ならなくに (藤原興風)
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36 夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを 雲のいづこに月やどるらむ (清原深養父)
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37 白露に風の吹きしく秋の野は つらぬきとめぬ玉ぞ散りける (文屋朝康)
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38 忘らるる身をば思はずちかひてし 人のいのちの惜しくもあるかな (右 近)
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39 浅茅生の小野の篠原しのぶれど あまりてなどか人の恋しき (参議等)
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41 恋すてふわが名はまだき立ちにけり 人知れずこそ思ひそめしか (壬生忠見)
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42 ちぎりきなかたみに袖をしぼりつつ 末の松山波こさじとは (清原元輔)
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43 あひみてののちの心にくらぶれば 昔は物を思はざりけり (権中納言敦忠)
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44 あふことのたえてしなくはなかなかに 人をも身をも恨みざらまし (中納言朝忠)
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45 あはれともいふべき人は思ほえで 身のいたづらになりぬべきかな (謙徳公)
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47 八重むぐらしげれる宿のきびしきに 人こそ見えね秋は来にけり (恵慶法師)
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48 風をいたみ岩うつ波のおのれのみ くだけて物を思ふころかな (源重之)
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49 みかきもり衛士のたく火の夜はもえ 昼は消えつつ物をこそ思へ (大中臣能宣朝臣)
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50 君がため惜しからざりしいのちさへ 長くもがなと思ひけるかな (藤原義孝)
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52 あけぬれば暮るるものとはしりながら なほうらめしき朝ぼらけかな (藤原道信朝臣)
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53 なげきつつひとりぬる夜のあくるまは いかに久しきものとかはしる (右大将道綱母)
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54 忘れじのゆくすゑまではかたければ 今日をかぎりのいのちともがな (儀同三司母)
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55 滝の音はたえて久しくなりぬれど 名こそ流れてなほ聞こえけれ (大納言公任)
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57 めぐりあひてみしやそれともわかぬまに 雲がくれにし夜半の月かな (紫式部)
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58 ありま山ゐなの笹原風吹けば いでそよ人を忘れやはする (大弐三位)
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59 やすらはで寝なましものをさ夜ふけて かたぶくまでの月を見しかな (赤染衛門)
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60 大江山いく野の道の遠ければ まだふみも見ず天の橋立 (小式部内侍)
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62 夜をこめて鳥のそらねははかるとも よに逢坂の関はゆるさじ (清少納言)
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63 いまはただ思ひ絶えなむとばかりを 人ずてならで言ふよしもがな (左京大夫道雅)
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64 朝ぼらけ宇治の川霧たえだえに あわはれわたる背々の網代木 (権中納言定頼)
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65 うらみわびほさぬ袖だにあるものを 恋にくちなむ名こそをしけれ (相 模)
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67 春の夜のゆめばかりなる手枕に かひなくたたむ名こそをしけれ (周防内侍)
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68 こころにもあらでうき世にながらへば 恋しかるべき夜半の月かな (三条院)
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69 あらしふく三室の山のもみぢばは 竜田の川の錦なりけり (能因法師)
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70 さびしさに宿をたちいでてながむれば いづこもおなじ秋の夕ぐれ (良暹法師)
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72 音にきくたかしの浜のあだ波は かけじや袖のぬれもこそすれ (祐子内親王家紀伊)
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73 高砂のをのへの桜咲きにけり 外山のかすみたたずもあらなむ (前中納言匡房)
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74 憂かりける人を初瀬の山おろしよ はげしかれとは祈らぬものを (源俊頼朝臣)
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75 ちぎりおきしさせもが露をいのちにて あはれ今年のあきもいぬめり (藤原基俊)
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77 瀬をはやみ岩にせかるる滝川の われても末にあはむとぞ思う (崇徳院)
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78 淡路島かよふ千鳥のなく声に 幾夜ねざめぬ須磨の関守 (源兼昌)
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79 秋風にたなびく雲のたえ間より もれいづる月のかげのさやけさ (左京大夫顕輔)
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80 長からむ心もしらず黒髪の みだれてけさはものをこそ思へ (待賢門院堀河)
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82 思ひわびさてもいのちはあるものを 憂きにたへぬは涙なりけり (道因法師)
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83 世の中よ道こそなけれ思ひ入る 山の奥にも鹿ぞ鳴くなる (皇太后宮大夫俊成)
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84 ながらへばまたこのごろよやしのばれむ 憂しと見し世ぞ今は恋しき (藤原清輔朝臣)
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85 夜もすがら物思ふころは明けやらで 閨のひまさへつれなかりけり (俊恵法師)
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87 村雨の露もまだひぬまきの葉に 霧たちのぼる秋の夕ぐれ (寂連法師)
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88 難波江の芦のかりねのひとよゆゑ みをつくしてや恋ひわたるべき (皇嘉門院別当)
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89 玉のをよたえなばたえねながらへば 忍ぶることの弱りもぞする (式子内親王)
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90 見せばやな雄島のあまの袖だにも ぬれにぞぬれし色はかはらず (殷富門院大輔)
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92 わが袖は潮干にみえぬ沖の石の 人こそしらねかわくまもなし (二条院讃岐)
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93 世の中はつねにもがもななぎさこぐ あまの小舟のつなでかなしも (鎌倉右大臣)
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94 み吉野の山の秋風さ夜ふけて ふるさと寒く衣うつなり (参議雅経)
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95 おほけなくうき世の民におほふかな わが立つ杣に墨染めの袖 (前大僧正慈円)
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97 こぬ人をまつほの浦の夕なぎに 焼くやもしほの身もこがれつつ (権中納言定家)
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98 風そよぐならの小川の夕ぐれは みそぎぞ夏のしるうしなりける (従二位家隆)
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99 人もをし人もうらめしあぢきなく 世を思ふゆゑに物思ふ身は (後鳥羽院)
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100 ももしきやふるき軒ばのしのぶにも なほあまりある昔なりけり (順徳院)
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